矜恃館


指導方針~矜恃館の教育の特徴~

矜恃館は

子供たちひとりひとりに応じた剣道教育を実施するため

少人数制を導入しております。

個人個人の世代に合わせた指導~ゴールデンエイジ剣道教育~

 

ゴールデンエイジとは? 

 

ゴールデンエイジとは、子供たちが成長する過程で特に重要な時期で、運動神経だけでなく交感神経などが格段に伸びる時期を言います。逆に、この時期に偏った運動や思考をしてしまうと、本来伸びるはずだった能力が思うように伸びなくなってしまいます。ゴールデンエイジは以下のように分けられます。

 

プレゴールデンエイジ

※3歳から8歳の時期

「不型」「活発」「愉快」

自由な構え・打ち・守り

運動における多種多様の動作を経験し基本的な運動動作を身に着けておくべき時期。右足を出そうとしても左足が出てしまうなど、自分の体の制限が厳しい時期でもあります。この時期には様々遊びやスポーツを経験させることが非常に効果的です。矜恃館では、この時期の子供たちに型にとらわれず、楽しく自由に剣道を教えています。


ゴールデンエイジ

 ※9歳から11歳 

「打突法」「防御法」「剣道型」

体系的論理的基本技術習得

自分が思ったように体を動かせる時期。この時期に基本的な動作を身に着けておくと、動きを見ただけですぐに理解できるなど即技術を習得できるようになります。今まで出来なかったことが突然できるようになったりと技術・センス共に大きく成長が見込める時期です。矜恃館では、負荷のかかる剣道修練この時期行いません。それよりこの時期にしかできない基礎の効果的習得を目指します。

 


ポストゴールデンエイジ

※12歳から14歳の時期

「思考力」「洞察力」「俯瞰力」「実践力」

量<質 ※量より質を重視

この時期になるとすでに神経系統は9割型形成されています。運動神経の成長が止まることで、以前とは違い短時間で急成長することが難しくなります。そのためこの時期では現状の技術レベルを維持しながら反復練習等を入れ基本動作の質を高めていく事が重要です。「考えながら練習する」など今までより質の高いトレーニングに取り組む必要があります。矜恃館では、中学校までの剣道修練において、負荷がかかりすぎるトレーニングは行いません。体の出来る高校からしっかりと体力アップは望めます。中学校までは、その基礎を作ることに特化しています。


剣道でよく見られるのは、勝ち負けに集中するあまり、本来養えるはずだった、優しさや寛容さ、礼儀・礼節、人や心を敬う心を失ってしまうことです。本来それらを教えるはずの剣道修練であるはずなのに、本末転倒な結果となっている事実を多く見てきました。ちなみに、私自身、勝ち負けに異常なこだわりを持って剣道をしてきました。その結果何がもたらせられたか。寛容さの欠如・優しさの貧困です。私自身の剣道人生がまさに「反面教師」となっているのです。


国内初めての裸足によるアジリティトレーニング剣道への導入

アジリティトレーニングとは?

アジリティー(Agility)トレーニングとは、 機敏,軽快さのトレーニングのことです。静→動、動→静など動きの変化の速さを身に付けます。上記3つのゴールデンエイジにおいて、ストレッチ系・ウェイト系・アジリティ系で特に重要なのが、このアジリティ系(俊敏性・機敏性・巧緻性(器用さ)の向上)です。剣道においても、咄嗟の判断と行動は大変重要な要素です。定期的に剣道用に設計したアジリティトレーニングを行っています。


ゲーム・座学の導入

矜恃館の基本的考えに「文武不岐」があります(文武不岐についてはこちら)。脳内トレーニングを定期的に行うことは、剣道だけでなく、様々な事象に対応できる能力が高くなります。また、ゲームしながらの体幹トレーニングも実施しています。剣道は、バランス感覚が重要です。しかしバランス感覚は、どのような競技でも重要な要素です。各世代に合わせた方法でバランス力向上を促します。以下、知育ゲームを行っている動画です。子供たちに考える力を遊びながら身に着けてもらいます。

紐の結び方や防具のつけ方

 

袴のたたみ方

 

竹刀の修理方法

 

なども、子供たちの習熟度に合わせて根気強く指導しています。

子供たちの自立心を育むことは、指導者の大切な役割です。

 

挨拶や礼儀、整理・整頓についても指導重視いたします。


※補足矜恃館の「恃」が「持」ではない理由

 

きょうじ」は、実は「矜持(「持」が「てへん」)」と「矜恃(「恃」が「りっしんべん」)」2つが存在します。

 

「矜持(「持」が「てへん」)」 ・・・ ・・自分を抑制し着飾りほこりを持つ 

1.自分をおさえ慎む。                

2.みずから自分を飾る。                

3.ほこりを持つ                    

          

 「矜恃(「恃」が「りっしんべん」)」・・・「自分の行いにほこりを持ち尊大に構える」

1.ほこり。

2.自分の行いにほこりを持つ。

3.頼みとするところがあって尊大に構える

 

両方とも「ほこりを持つ」という意味で同じなため、慣用的には「矜持」を用いるようになってしまいました。

 

当剣道クラブは、本来の「ほこり」という意味の後者「矜恃」をクラブ名にしています。子供たちに‟自らの”「ほこり(プライド)」を第一に考えてほしい。自らを尊ぶ人になってほしい。そのような意味が込められています。矜持とは、日本人としての「抑え慎む」といった日本人としての「美徳」として捉えられることが多いですが、‟抑え慎むこと=美徳”は、明治維新から戦前の国粋主義(※一般論としての国粋主義は、国家に固有の文化・伝統を礼賛して愛国心や愛郷心で意識の発揚をはかる思想や運動のこと)は、取扱いを間違うと、子供たちの個性や多様性を国家が取り上げ、ひいては戦争を誘発するナショナリズムに繋がる蓋然性が高いと私たちは考えています。矜恃館では、子供たちの個性と多様性を認める(無視せず認知する。勝敗の結果などで対応を変えるなどしない)ことを第一に考えています。したがって、慣用的に使用される「矜持(てへん)」をあえて使用せず、本来の個性としてのプライドである「矜恃(りっしんべん)」を剣道クラブ名にしております。